経営哲学・知の実験室|”銀座スコーレ”上野テントウシャ

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株式会社"銀座スコーレ"
上野テントウシャ

ダイアローグ(Dialogue)

【 英語表記/読み方 】

Dialogue/だいあろーぐ

【 定義(Definition) 】

【 定義 】

(Definition)

複数の主体間で意識的・無意識的に交わされる言語的・非言語的なやり取りの総称。
参加者個々の認識や結論(所有物)を保留し、参加者間の「関係性」から新しい構造や意味が生成されることを目的としたコミュニケーションの構文。

【 説明(Description) 】

【 説明 】

(Description)

一般的な「話し合い」や「議論」は、自分の結論を伝えるモノローグ(独白)の集積に終わりがちである。
ダイアローグは、この「モノローグの構文」から脱却し、自己の輪郭(防衛)を透過させる姿勢を起点とする。

その目的は、相互理解に留まらず、場そのものの構造を更新する「応答」を生み出すことである。
モノローグの誘惑は、リーダーや専門家が「正しい答えを持っている」という無自覚の前提から生じやすく、場の変化や参加者の声を見えにくくしてしまう。

ダイアローグは、この誘惑を超え、個人の思考や感情を透明化しつつ、場の関係性と意味を共に更新する営みである。

【 構造的特徴(Structural Characteristics) 】

【 構造的特徴 】

(Structural Characteristics)

モノローグとの対比:

モノローグが所有の構文に根ざし、自分の結論を固定化しようとする(To Have)のに対し、ダイアローグは応答の構造に根ざし、流動的な場を生成する(To Be)。
モノローグは「説得と支配」を伴うが、ダイアローグは「共鳴と生成」を伴う。

場の生成: 参加者は相手の言葉に「反応」するのではなく、場に起きている「呼びかけ」に「応答」する主体となる。これは、エンパシーと構造探求が一体となって働き、相手の無自覚の前提を理解し、自己の防衛(心配)を手放すことが前提となる。

観測の姿勢: 感情ログや緊張感を単なる問題とせず、「場の天気」として観察し、構造的な揺らぎとして認識する。

【 比喩(Metaphor) 】

【 比喩 】

(Metaphor)

往復運動/共鳴と反響/二つの鏡が向き合い場を映し出す /場の天気観測

【 用例・文脈(Usage / Context) 】

【 用例・文脈 】

(Usage / Context)

  • 〔社会〕
    SNSやメディアでの議論や討論、インタビューなど、公開・非公開問わず相互作用の場面に現れる。匿名や顔の見えない環境では、発言の大胆さや率直さが強調される一方で、誤解や偏見も生まれやすい。
    ときには「正しさの主張合戦」として、モノローグの集積が露わになることもある。
    しかし、その集積から異なる価値観の間に新たな共通言語を生成する試みが生まれる場面もある。日常的な雑談や軽い意見交換も含め、人々の思考の可視化や規範の確認という機能を果たしている。

  • 〔組織〕
    会議やワークショップ、コーチングなど、チームの意思決定や学習プロセスで重要な役割を持つ。
    新規プロジェクトのブレインストーミングでは、多様な意見のぶつかり合いから創造的なアイデアが生まれることがある。
    理念やクレドを「守る」ための議論ではなく、環境の変化に応じて「更新し透過させる」ための経営対話が行われる場面もある。
    リーダーが自分の「正しさ(所有物)」を手放し、メンバーの心配や抵抗を進化のサインとして場に配置し直すプロセスは、組織文化や意思決定の柔軟性に直結する。
    建設的な衝突や議論の過程は、組織の知識資産や学習能力の向上にも寄与する。

  • 〔家庭・個人〕
    親子や友人、パートナー間の会話で現れる。
    日常の挨拶や雑談から、人生の大きな選択に関わる相談まで、ダイアローグの幅は広い。
    相手の発言の背後にある「無自覚の前提」や「心配の輪郭」に光を当てようとする内省的な姿勢が、対話の質を深める。
    相手の発話を受け止めつつ自己を言語化することで、感情の整理や価値観の確認が行われる。
    家族や親密な関係では、ダイアローグを通じて互いの信頼や安心感、理解が形成され、個人の心理的安全性や自己肯定感にも影響を与える。

【 関連語(Related Terms) 】

【 関連語 】

(Related Terms)

モノローグ/対話/相互作用/自己対話/認識の交換

【 引用または出典(References) 】

【 引用または出典 】

(References)

マーティン・ブーバー『我と汝』/デヴィッド・ボーム『ダイアローグ』

【 備考(Note) 】

【 備考 】

(Note)

2025/11/21 採用版(モノローグとの関係と戦略的・心理的側面を統合)

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