経営哲学・知の実験室|”銀座スコーレ”上野テントウシャ

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株式会社"銀座スコーレ"
上野テントウシャ

心のある道

【 英語表記/読み方 】

Path with Heart/こころのあるみち

【 定義(Definition) 】

【 定義 】

(Definition)

外的基準ではなく、存在の純度が損なわれずに歩き続けられる方向へ、内側から静かに引かれていく構造的な道。

【 説明(Description) 】

【 説明 】

(Description)

“心のある道”は、成功や正しさを指標に選ばれるものではない。
自我と深層プロセスの摩擦が減り、存在の輪郭が無理なく保たれる方向に自然と向かわせる働きを指す。
危険の正体は外界ではなく、未使用の可能性に触れる準備が整っていない自我の反応である。
歩むほどに、身体感覚・関係性・偶然が細い一致を示し、道の側から応答が返るように感じられる。

【 構造的特徴(Structural Characteristics) 】

【 構造的特徴 】

(Structural Characteristics)

カスタネダ(ドン・ファン体系)
ナワール(異界)とトナール(日常界)の二重構造を前提に、“力(power)”との協働が可能な方向が“心のある道”とされる。
誤った道は破滅に至る危険性が強調され、戦士としての規律が前提に置かれる。

プロセスワーク(ミンデル)
深層プロセスと顕在意識は連続体であり、危険とは二次プロセス(未使用の可能性)がエッジに阻まれている状態として理解される。
“心のある道”とは、身体・夢・関係性を横断するプロセスの一致が生じる方向である。

銀座スコーレ的解釈
外在的な力とも心理主義的分析とも異なる文脈で、“存在の純度が落ちない方向”として道を捉える。
危険とは未使用の可能性の影にすぎず、道そのものは危険ではない。
深層プロセスの応答と、自分を自分たらしめる源の輪郭がずれない方向が“心のある道”として立ち上がる。

【 比喩(Metaphor) 】

【 比喩 】

(Metaphor)

獣道/静かな流れ/薄明かりの導線/未踏の可能性の輪郭

【 用例・文脈(Usage / Context) 】

【 用例・文脈 】

(Usage / Context)

  • 〔社会〕
    急速な変化や制度疲労の只中で、従来の“正解”が機能しなくなると、人々は外的成功ではなく、存在の質が痩せない方向を直感的に探り始める。
    偶然の一致や違和感の高まりが、社会全体の深層プロセスとして道筋を示すことがある。
    巨大な構造変動の場面では、“心のある道”が個人の意思を超えて現れやすい。

  • 〔組織〕
    再現主義や成功体験の踏襲ではなく、組織の“いのち”が枯れない方向を手がかりに意思決定が行われる。
    短期成果よりも、関係性・文化・動機の純度が損なわれない選択が組織の更新を促す。
    ミッションや理念が形式化した組織では、“心のある道”の感覚が最初に失われる。

  • 〔家庭・個人〕

    キャリア・人間関係・創作の分岐点で、外側の評価軸では説明できない“どうしてもその方向に向かってしまう”体験として現れる。
    不安や危険に見える領域は、実際には二次プロセスへの入口であり、新しい自己が生まれる地点となる。
    存在の輪郭が無理なく保たれる方向が、個人の“心のある道”として立ち現れる。

【 関連語(Related Terms) 】

【 関連語 】

(Related Terms)

深層プロセス/エッジ/純度/兆し(flirt)/召命/ケオディックパス

【 引用または出典(References) 】

【 引用または出典 】

(References)

カルロス・カスタネダ『ドン・ファンの教え』
アーノルド・ミンデル『シャーマンズ・ボディ』

【 備考(Note) 】

【 備考 】

(Note)

2025/12/10 初稿版(カスタネダ・プロセスワーク・銀座スコーレの三者差分を明示)

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