最初のきっかけは、やりたいことを見つけたわけでも、未来に夢を描いたわけでもなかった。
ただ、そこに「やりたくないもの」があった。
それからの時間は、地図のない街を彷徨うような日々だった。
ときに誰かの声に針が振れ、ときに風の流れに歩調を合わせ、
気づけば、手にしていたはずの地図も、頼りにしていたコンパスも、どこかへと消えていた。
それでも歩みは止まらず、今、ふと振り返ってみる。
あのときの一歩は、本当に「逃げ」だったのか?
そんな問いと共に、この旅の記録を開いてみようと思う。
※このコラムは実体験をベースにしつつも、フィクションや脚色を含んでいます。